カウンセリングでお伺いしたのは、ビート君(トイプードル3歳11か月♂)です。現在の課題は、他の犬への吠えと新聞配達や郵便局員の乗るカブに対しての強烈な吠えの抑制です。飼い主さんも犬を飼われるのが初めてということもあり、試行錯誤のなか今まで何度かトレーニングも受けてこられたようですが改善には至らず悩まれているようでした。
特に今までの対応でのトリーツの使い方や改善に向けての取り組みは、現在の課題を助長させてしまっていたようですので、飼い主さんの意識改革とトレーニングを進めるうえでの理論をご理解いただきながらレクチャーと実践トレーニングを行いました。
お散歩のスタイルも、当初は引きが強く自分の行きたい方向に飼い主さんを引っ張る傾向が強く出ていました。飼い主さんも引かれるままについていきますし、ストライキを起こせばトリーツと交換する癖がついていますので余計にストライキを起こします。飼い主さんの横でアイコンタクトをしながら歩ける瞬間を誉めて距離を延ばしていきましょう。また「誉める」という飼い主さんには最も必要とされる表現を正しくできていない方が多いのも事実です。反対に「撫でる」という行為で「誉める」という表現を代用していますので、誉めるべき時に誉めて、撫でるべき時に撫でる。この2つの区別をシッカリと理解していきましょう。
実際にお散歩では、新聞配達のカブへの吠えや他の犬への吠えに対しての禁止コマンドのトレーニングは、短時間に適切なタイミングで行い、「やってはいけない事」を理解させることで犬は初めて自分の本能だったり今までの習慣で覚えた行為を我慢することを選択します。
今までは視界に入れば吠えていた相手の犬に対しても飼い主さんの禁止コマンドで我慢ができるようになっていましたので、この気持ちの変化を飼い主さんは大いに評価する義務があります。
一番難易度の高い他の犬の追い越しに関しても、ビート君の息遣いや引きの反応、視線の方向などを感じながらコマンドを出せば充分にコントロールできますので、今後は他の犬のいない時間に散歩をするのではなく、他の犬が居てもお散歩に適した時間を選択してお散歩をしてください。
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