カウンセリングとレッスンでお伺いした小豆ちゃん(柴犬2歳4ヶ月♀)の課題は、訪問者への吠え・お散歩中の他犬への吠えとコマンド実行性が不安定である事・家族に対してのアグレッシブな行動などに対しての対処についてです。
お話を伺うと、パピー期のレッスンも動物病院などで経験はしていますし社会化に関しても気をつけて考えて来られたようです。しかし元々持っている性質なども考慮しながら社会化は進めていかないと逆効果になる場合もあります。1歳くらいまで順調に育っていたようですが、徐々に我が出てきて現在の課題に至っているようです。
お伺いする前の情報で、来客時は吠えが止まらないという事でしたので屋外でお会いしてから小豆ちゃんのテリトリーにお邪魔することにしました。情報どおり最初のコンタクトから警戒心が吠えに出ています。
しかし、本当に怖がりのタイプですと初めての第三者から食べた事のない初めてのトリーツを食べるという勇気はありませんので、極端にセンシティブな対応でコミュニケーションをとるようにするタイプではないようでした。屋外でも、目に入る刺激には吠える事が目立ちましたが、10分程度でテリトリーにお邪魔することとしました。
当然ですが、室内では更に自己表現が強くなり吠えが強くなります。飼い主さんからの忠告も、聞く耳を持ちません。現状では、この段階を改善する事ができませんので基本的な飼い主さんとの関係性などを改善しながら「正しい事への評価」と「間違っている事への忠告と禁止」の明確な対応を行う必要があります。
吠えてはいけない事を小豆ちゃんが理解できるとチャイムがなっても吠えなくなります。この「吠えない」という正しい反応を飼い主さんは見落とさずにシッカリ誉めて評価する事が最も大切です。今までは、何かと自分のアピールや欲求を吠えるという行動で家族に表現し、その吠えに対して、家族全員が見事に反応していました。
またトレーニングの基本となるアテンションとアイコンタクトの認識ができていませんので小豆ちゃんは、飼い主さんの目を見ることがありません。なぜなら、飼い主さんが小豆ちゃんの視線に合わせて飼い主さんが小豆ちゃんにアイコンタクトをしますから、小豆ちゃんは飼い主さんの目を見る必要がなくなります。パピー期のレッスンで、トリーツの使い方を安易に多用すると、アイコンタクトではなくハンドコンタクト(手を見て判断する)をするようになります。必ず名前を呼ばれたらアイコンタクトをするようにトレーニングをし、トリーツの与え方もアイコンタクトの強化になるように与えましょう。
すべては飼い主さん家族の対応や経験と知識の不足にあります。今までの習慣や認識を改めて、課題の克服に向けたルールの設定と意識改革に取組んでいきましょう。
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