カウンセリングレッスン
今回、カウンセリングでお伺いしたのは、ケリーブルーテリアのケナコちゃん(3カ月半♀)です。飼い主さんは以前にも同じケリーブルーテリアと暮らされており、先代のチャバディ君とは、17歳1カ月という長い年月を共に過ごされました。
チャバディ君は、生後6カ月を過ぎた頃からいくつかの課題と向き合うこととなり、トレーニングを開始しました。その後は、家庭犬としての資質向上を目指したトレーニングだけではなく、競技会などにも挑戦し、飼い主さんと共に様々な経験を積み重ねてきました。
今回新たに迎えられたケナコちゃんについては、チャバディ君との生活やトレーニングを通して得られた経験を活かし、パピー期の大切な時期から適切なトレーニングに取り組んでいきたいという飼い主さんのご意向もあり、カウンセリングにお伺いしました。生後3カ月半という時期は、社会化をはじめ、ニンゲンとのコミュニケーションや日常生活のルールなど、これからの成長につながる基礎を育てていく大切な段階です。
先代のチャバディ君との経験は、ケナコちゃんの成長をサポートしていくうえで大きな財産になりますが、同じ犬種であっても性質や性格、物事への反応には個体差があります。そのため、まずはケナコちゃん自身の性質や現在の理解度、環境に対する反応などを丁寧に観察し、その成長段階に合ったトレーニングを進めていくことが大切です。今後は、パピー期ならではの柔軟な学習能力を活かし、社会化や基本的なコマンドの理解、飼い主さんとの良い関係性の構築を中心に、家庭犬として必要な基礎をシッカリ育てていきましょう。
性質と性格の把握と将来の予測

アテンションとコマンドの基礎トレーニング
ケナコちゃんは、現在のところ名前を呼ばれた際のアテンションに対する反応がまだ不安定ですので、まずは「ケナコ」という名前に対して、確実に飼い主さんへ意識を向けられるように強化トレーニングを進めていきましょう。アテンションは、これから様々なコマンドを教えていくうえでも、日常生活の中で飼い主さんとのコミュニケーションを深めていくうえでも、非常に重要な基礎となります。特に、周囲の環境刺激に意識が向いている状況でも、名前を呼ばれたら飼い主さんへ意識を切り替えられるようになることが、今後のトレーニングの安定性にもつながります。
今日のレッスンでも、「ケナコ」という呼びかけに対して一定の反応を引き出すためのトレーニングを行い、良い反応を確認することができました。

今後は、名前を何度も繰り返して呼ぶのではなく、まずは反応しやすい環境で1回の呼びかけに対して意識を向けられるようにし、その瞬間をタイミング良くシッカリ誉めていきましょう。また、「お座り」や「伏せ」についても、少しずつコマンドへの理解が進んできていますので、現在の良い反応を大切にしながら、正しい動作を確実に強化していくことが重要です。ただし、コマンドの実行を急いで求めるのではなく、まずは飼い主さんへ意識を向け、指示を確認してから行動するという基本的な流れを丁寧に育てていきましょう。ケナコちゃんは、これから多くのことを吸収していく大切な時期ですので、アテンションの強化を中心に、「お座り」や「伏せ」などの基礎コマンドを無理なくステップアップさせ、飼い主さんとの良い関係性を構築していきましょう。
首輪とリードに馴らす
ケナコちゃんは、首の周辺を触られることに対して、まだ少し抵抗感が見られますので、今後はフードやトリーツを上手に活用しながら、首に触れられることやリードを装着されることに対して、少しずつ馴致を進めていく必要があります。特に、首に触れようとした際に抵抗する様子が見られる場合には、無理に触ったり、リードを装着しようとしたりすることで、更に抵抗感が強くなる可能性がありますので注意しましょう。まずは、ケナコちゃんが安心して受け入れられる範囲から始め、首の周辺に手が近づくことや、軽く触れられることに対して良いイメージを関連付けながら、段階的に慣らしていくことが大切です。


今日のレッスンでは、トリーツを使いながら飼い主さんの横を歩くことや、横で座ることなど、将来的に「ヒール」のコマンドを導入する際に必要となる基礎的なトレーニングを行いました。飼い主さんには、ケナコちゃんを正しい位置へ導くための誘導の仕方や、良い動きができた瞬間に誉めるタイミングなどを確認していただきましたが、ケナコちゃんは飼い主さんの動きにとても上手に同調できていました。
現段階では、正確な脚側位置を求めすぎるのではなく、飼い主さんの横で一緒に歩くことや、自然に停座することに楽しさや期待感を持たせながら、良い動きをシッカリ強化していきましょう。
飼い主さん自身もリードの使い方や、ケナコちゃんへのリードの馴らし方については、まだ慎重な対応が必要です。リードによって無理に動きを制御するのではなく、まずはトリーツによる誘導や飼い主さんの動きに合わせることを中心に、ケナコちゃんが自発的に行動できるようにしていくことが大切です。首への接触やリードの装着に対する抵抗感を強めないよう、ケナコちゃんの反応を良く観察しながら、無理のないペースで馴致と基礎トレーニングを進めていきましょう。
屋外へのアプローチ
ケナコちゃんの屋外環境への馴致については、まずマンションの敷地内にある安全な場所から始め、屋外の地面の感触や周囲の環境に少しずつ慣らしていきましょう。ただし、その前段階として、玄関のドアを出ることから廊下の床の感触、エレベーター内の空間や動き、エントランスの雰囲気など、日常生活の中で通過するそれぞれの環境に対して、丁寧に馴致を進めていく必要があります。

特に、ケナコちゃんがそれぞれの場所で不安感や躊躇、戸惑いを見せていないかを良く観察し、安心して行動できているかを確認してください。単にその場所を通過できたということだけではなく、ケナコちゃん自身がどのような気持ちで経験しているのかを把握することが大切です。また、今後の生活パターンとして、お留守番の時間が長くなることも考えられますので、パピー期に必要な社会化や様々な経験の機会が限られる可能性についても、意識しておく必要があります。時間に余裕がある時には、日頃のお留守番によって不足しがちなコミュニケーションや環境への馴致、遊びなどの時間を上手に確保し、ケナコちゃんの成長をサポートしてあげましょう。
ただし、限られた時間の中で多くの経験をさせようと焦りすぎることは禁物です。様々な刺激を一度に与えすぎる刺激飽和や、ケナコちゃんの気持ちを無視した無理なトレーニングは、かえって不安感や警戒心を強めてしまう可能性があります。
パピー期の3要素

現在のケナコちゃんにとって、パピー期の大切なお仕事は、「食べる」「寝る」「遊ぶ」という3つの基本的な要素をシッカリ満たすことです。十分な食事と睡眠、そして飼い主さんとの楽しい遊びを通して、心身の健全な成長を支えながら、その中に無理のない社会化や基礎トレーニングを取り入れていきましょう。今の時期は、何かを急いで教え込むことよりも、ケナコちゃんが安心して様々な経験を積み重ね、飼い主さんとの生活に楽しさや期待感を持てるようにすることが重要です。日々の小さな変化を良く観察しながら、ケナコちゃんのペースに合わせて、これからの成長につながる基礎を丁寧に育てていきましょう。


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