初レッスンでお伺いした、はるちゃん(秋田犬♀推定2歳4ヶ月)は、里親さんである現在の飼い主さんの元へきて4ヶ月が経とうとしています。これまでの過去の経緯も推測の域は出ませんが、愛情深く育てられていなかった事は事実のようです。また適切なパピー期の社会化の経験も少なかったようですし、本来の性質も少しシャイで警戒心の強い面も持ち合わせています。
今回のレッスンのご依頼は、これからの犬生を幸せに過ごしてあげる為には、どのように良い関係性を構築するべきなのか?を飼い主さんが学びたいことと、ここ最近、表面化してきた吠えの抑制に関しての対応をどのようにすべきか?という課題です。
お伺いした際の反応は、やはりテリトリーの主張の為に、独特の警戒吠えをしていますが、極端に攻撃性がある訳ではなく、とにかく自分のパーソナルスペースに見知らぬ第三者が入ってもらいたくないという事と吠えることで自己主張を表現しています。この反応に対して、今まで飼い主さんは、吠えを止めさせたい一心で、声をかけてなだめたり、時にはトリーツを与えてしまっていましたので、吠えることで何らかの報酬を得ようとしているようです。過去の経緯を考えると、どのように対応する事がベストなのか?に迷うところですが、はるちゃんのようなタイプの場合は、経験値が少ないことなどもあり刺激が加わることで自分で消化しきれない部分がオーバーフローを起こして吠えにつながることと、「吠えると報酬がもらえた」という逆の学習で今回の課題が表面化しているようです。
また経験値が少ないことからの刺激に対しての吠えを気にし過ぎてしまうと、刺激を回避する考え方が強くなりますので、いつまでも刺激に対しての馴致が進まず、課題の克服につながらなくなります。小さな刺激から徐々に経験をさせながら馴らしていくトレーニングは不可欠ですので是非、進めてください。幸い、はるちゃんは吠えないタイミングを見計らってトリーツを与えた際の反応は、とても安定しており極端な拒否反応や興奮状態で吠えている訳ではない事が良く分かります。あくまでも推測ですが、過去の経緯の中ではニンゲンに対しての不信感から心を開けていない時間が長かったように感じますので根気強く「心」を創れるようにしていきましょう。
今後の犬生のQOLを考えた上で教えておいた方が便利な基本的なコマンドや動作を関係性の構築を目指す上でのコミュニケーションの時間としてトレーニングを取り入れましょう。
「はる」というアテンションコマンドとトリーツを使ったアイコンタクトや飼い主さんからの誉め言葉の認識の強化は、現在のトリーツの使い方を改善して正しい与え方でトレーニングに活かして下さい。
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