パコ君の今日のレッスンは、早朝のオビディエンストレーニングの状況やここ最近の飼い主さんが感じる疑問や課題についての改善の方法と今後の進め方などについてのレクチャーと実践トレーニングを行いました。
現状の課題と改善に関しては、以前から指摘させて頂いているように飼い主さんが無意識にパコ君に合わせた対応や行動をとっていますので、肝心な場面ではパコ君は飼い主さんのコマンドに従う気持ちを持たなくなってきています。
飼い主さんは良かれと思い行っている対応は、全てパコ君に対してのお膳立てであり、客観的に見るとパコ君に従う飼い主さんという構図となっています。このような関係性の中で、競技課目のトレーニングを進めたとしてもコマンドに従うというよりも、如何に効率よく報酬を得るか?という行動が優先されます。「分かっているのに動かない・指示に従わない」という行動も、その1つとなります。なぜ、そのような行動をとるかというと、ニンゲンは動かしたいので先行してトリーツを出し始めるからです。これが、効率よく報酬を得よとして起こす、とてもお利口な行動ですね。
また現在の飼い主さんの出すコマンドは、単発のコマンドであり、連続されてコマンドが出ていなかったり、その場で必要な正しいコマンドをチョイスしていないようです。
この画像は、私と飼い主さんが話している際のパコ君の姿勢ですが、このアイコンタクトが安定している姿勢は、「座れ」のコマンドのみで行われる必要がありますが、私からの指摘がある以前の状況は、飼い主さんが出したコマンドには一瞬従いますが、すぐに自主解除をしてウロウロと動いている状況でした。この動いたパコ君に対して飼い主さんが出さなくてはいけないコマンドは「座れ」が正しいですが、飼い主さんは「イケナイ」というコマンドを頻繁に使用します。「イケナイ」のは飼い主さんの方であって、パコ君を良く観察すると自主解除する前に「座れ」のコマンドで自主解除させないように事前にコマンドを出せば回避できていた行動を、「イケナイ」で処理して、行動を元に戻せないのはコマンドを出す意味が無くなります。
コマンドはシンプルに活用して、正しい行動を誉める事で犬はニンゲンが望む行動を真剣に実行します。単なる「座れ」も正しく伝わると、解除しても犬は誉められたポジションを理解しますので自発的に望ましいポジションで望ましい行動をとります。
自発行動でポジショニングしてきたのですから、誉める事で理想的なポジションで留まり、伏せて大人しく待つこともできるようになります。コマンドで始まっていませんので解除する必要はありませんし、望まれる行動をしたことだけを誉めれば更に強化されます。
ボール遊びにも色々な工夫が必要です。
犬の要求で遊びを始めて犬が飽きたから遊びが終わるという犬主導の遊びをせずに、飼い主さんの声掛けで遊びがあ始まり、もっと遊びたいと感じている時点で遊びを終わり、意欲を次につなげる感覚を身につけて下さい。
「期待・関心・好奇心」の要素を持ち合わせる事で魅力的なワクワクする飼い主さんになれます。あまりにも犬主導の関係性を続けると「失望・不熱心・無関心」な魅力のない飼い主さんになってしまいますので、現状を再検証してください。
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