カウンセリングでお伺いしたのは、しろちゃん(ビションフリーゼ1歳3か月♀)&はんちゃん(ビションフリーゼ6か月♀)です。しろちゃんは過去にもトレーニングの経験はありますが、飼い主さんが疑問に思うこともあり、その疑問を解決する為にお話を伺い今後の方向性などについてのアドバイスをさせて頂きました。はんちゃんは、伸び盛りで元気いっぱい!しろちゃんへの遊びを仕掛けるのは、とても得意で成長期の課題もあるようです。
特に飼い主さんが気になっているのが今までのトレーニングの方法でのトリーツの多用で、犬が飼い主さんからのコマンドというよりもトリーツが目的の動きになっているのではないか?という疑問と、それに伴う飼い主さんとの信頼関係は存在するのかどうか?という不安などです。パピー期のトレーニングを、成長段階に合わせてステップアップしていくことを進めていかなければなりませんが、中々、そのステップアップの方法をレクチャーし実践的に教えてくれるトレーナーが存在しない事も事実です。
飼い主さんなりに試行錯誤しトリーツの頻度を減らしながら向き合ってはみるものの、自信と確信をもって接しトレーニングをしない限りニンゲン側の心のブレは犬には見透かされてしまいますので、トリーツの頻度が減少することでコマンドに対しての不服従や無視が多くなり以前よりも複雑な関係性に陥ってしまいます。
本来トレーニング自体は、とてもシンプルなのですが難しく考えることでそのアプローチも複雑化してしまいます。また犬のとる行動に対して不必要な意味のない反応や声掛けなどが、余計に複雑化させますので現状を確認した上で、足りないことをプラスして余計なことは省くように考えていきましょう。
先住犬のしろちゃんは、飼い主さんと過ごす時間がはんちゃんよりも長い分、飼い主さんからのコマンドへの反応もスムーズですしアテンションとアイコンタクトの精度も安定しています。はんちゃんは、しろちゃんほどアテンションに対しての反応が安定していませんので、アテンションへの反応の強化を進めてください。2頭ともに、トリーツを持つ手に対しての誘惑刺激に左右されないようにするトレーニングの経験はありますが、更にステップアップする方法を今日のレッスンで行ったように与える側の手の動きの注意をしましょう。
室内での飼い主さんとの遊びに関しては、しろちゃんの引っ張りっこなどに対しての意欲は高くないようですので、プレイドライブの高いはんちゃんとの遊びを進めながら引き出していきましょう。引っ張りっこが好きなはんちゃんも、本来の引っ張りっこ遊びで、レトリーブができるようにステップアップし、将来的にはフライングディスクで遊べるようにしていきましょう。
お散歩の課題に関しては、しろちゃんのストライキや飼い主さんの後方を歩く習慣の改善について実践トレーニングを行いました。
お散歩前のリードの装着時や飼い主さんがリードを持つまでの「Wait」の実行性はとても安定しています。お散歩の動きは、飼い主さんが仰る様に飼い主さんの後方を歩いていましたので、飼い主さんの視線と肩の位置を変更し「ゆっくり」のコマンドの導入と、誉めるタイミングやトリーツのタイミングとトリーツを与える位置の変更で改善の切っ掛けができています。また室内で導入した新しいコマンドの「Heel」も屋外で早速実践できていました。
はんちゃんは、臭い嗅ぎが大好きなようで壁沿いへ引く傾向があるようです。臭い嗅ぎもお散歩中のルール作りで改善出来てきますので、まずは飼い主さんと一緒に歩くことを楽しく教える事をベースにしてしろちゃんと同じように「ゆっくり」のコマンドで飼い主さんと歩調を合わせて歩けるようにトレーニングをします。
臭い嗅ぎは、場所を決めずに飼い主さんの任意で臭いを嗅がせましょう。そして臭いを嗅いで良い許可を出す前に「Sit」でお座りをさせてから許可を出すように習慣づけると「Sit」の実行性も安定します。はんちゃんは、特に「Sit」よりも「Down」のバランスが強いようですので、このような機会を活用しながら「Sit」への意識を高めましょう。
今後のステップアップで大切な考え方の中に、コマンドは行動のスタートであり解除のコマンドが出るまでコマンドが出された姿勢を維持することを理解させましょう。また、トリーツを与えて解除をするとトリーツが解除のタイミングになりますので解除のコマンドとトリーツを混乱させないようにして下さい。
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