カウンセリングでお伺いしたのは、だいず君(Mix2歳11か月♂)&パピコ君(Mix1歳8か月♂)の課題についての飼い主さんの対応について、現状を確認させて頂きながら今後の進め方についてのアドバイスもさせて頂きました。
今回の課題は、2頭の間の問題の改善という事でしたが、それぞれの性質の違いや飼い主さんと犬との関係などから課題が発生する条件は、いくつか考えられるようです。先住犬のだいず君は、環境への順応性も高くいくつかのコマンドの理解も進んでいます。屋外での他の犬との関わり合いの中で飼い主さんからのコマンドを無視したりすることもあるようですが、平時の中でのコマンドの理解を深めて精度を向上させることで改善できる項目も多いと思います。パピコ君は、シャイな性質で環境への馴致が非常に難しい性質ですが、テリトリー内では強い意志を示します。今回の課題の主体はパピコ君の、この行動をどうコントロールしていくか?ということです。お散歩などでも、苦手な場所や音もあるようですので、限界点を超えてまで馴らそうとしたり、起こってしまった反応や行動を無理に抑制したりする行為は、逆効果になることもありますので注意が必要です。
メンタルの改善に関しては、目に見えない事が多いために犬の変化や成長に気づきにくいのが難し点です。今よりも細部にわたり意識してパピコ君の変化を見て、改善傾向にある反応や行動は、タイミングよく誉めて評価してあげる事が必要ですし、間違っている行動の切っ掛けとなる事前反応や事前行動には、観察力を高めて先手を打いてるようにしていく必要があります。その為にも、飼い主さんの知識や技術と観察力の向上が求められますので根気強く取り組んでいきましょう。
まずは基礎トレーニングとなるアテンションとアイコンタクトの向上を促す強化トレーニングを行い、今までは犬の視界に飼い主さんがしゃがんで合わせていた視線を、今度は犬が飼い主さんを見上げるようにアイコンタクトできるルールに変更をします。非常に単純なトレーニングのようですが、この後の「おいで」の呼び戻しのトレーニングや、「マテ」のトレーニングなどでも、必ずアイコンタクトできている状態から始めなければトレーニングとして成立しませんし、このような基礎トレーニングを継続することで、「従う心」が養われます。
今までは全体的に、パピコ君のデリケートな性質を擁護する傾向が強かったことで、パピコ君主体の生活の時間が流れていましたので、今後は飼い主さん主体のメリハリのある関係性を構築する必要があります。
飼い主さんの2頭への愛情は、お部屋に隣接するオープンテラスにも表れています。まずは十分な自由運動のスペースのある生活空間で過ごせることは幸せなことですので、積極的かつ慎重に社会化の馴致トレーニングを継続しながら2頭とのハッピーな時間を過ごせるように創意工夫をしてみて下さい。
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