P/L:アメリちゃん。

今朝のアメリちゃんのレッスンは、夏休みの思い出をお聞きしながら、そこで体験した現在の課題や今後の目標などについてレクチャーと実践トレーニングを行いました。

特に呼び戻しに関しては、環境刺激が加わる事で精度の低下が見られますので、ロングリードを装着している際のトレーニングだけでは計り知れない現実もあります。

トレーニングを始めてからの課題である呼び戻しに関しては、コマンドに対しての実行性の精度を向上させる事が今後の目標になります。誘惑刺激が加わる事で実行性が低下する事を考えると、平常時では100%である必要があります。では、100%の実行性とはどういうことか?を考えると、1度のコマンドで確実に飼い主さんの元へ戻る事です。今までのコマンドの理解を促すトレーニングでは、自発性を引出す事をメインにしていましたので、場面によっては、何度もコマンドを出しながらアメリちゃんがコマンドを理解して戻る事を誉めて安定性を目指していましたが、1歳3ヶ月を過ぎて、徐々に飼い主さんのコマンドを無視したり、優先順位がコマンドではなく誘惑刺激であったりと、実行性が低下する要因がハッキリしていますので、現在の関係性を更に深める為にも、「1度のコマンドでコマンドに反応し、尚且つ従わない選択肢はない」という事をトレーニングの中に組み込んでいきましょう。また、戻ってきてからの飼い主さんとの距離間にも、現在の課題が表れており、直近まで戻ってこないで微妙な距離を空けるようになっています。コマンドの精度の向上を考えたシェイピングトレーニングでは、このように1つ1つの反応や動作、ポジションを明確にしていきましょう。誉めるタイミングなども、とても重要ですが、誉めれば良い訳ではありません。呼びに応えても、地面の臭いを嗅ぎながら戻る動作は、決して正しい呼び戻しのコマンドに応えた動作ではありませんし、何かの刺激の臭いを獲った瞬間に、止まったり逆方向に戻ったりもします。確実に「来い」のコマンドを実行させましょう。

また「待て」のコマンドの精度の向上も今後の目標の1つになります。「待て」の精度を考えた場合、待機なのか?休止なのか?緊急停止なのか?によってもトレーニングの難易度が違います。基本となる「待て」のトレーニングでも、アメリちゃんのように犬種的特性の高いタイプの場合は単に座って、その場で動かないという事だけではなく、鼻の動きや耳の動きを良く観察して、飼い主さんに注視しているかどうか?を確認しましょう。下の画像2枚は、「待て」のコマンドを出された直後で、視線はこちらを見ていますが、耳は後の犬に向いています。片方の耳だけで後の様子を察知している状態と、両方の耳で後の状況を察知している様子です。視線は、こちらを向いていますが、意識は後ろに向いています。

立ち耳でなくても垂れ耳の犬種でも、コマンドに集中していると、耳は前方に向いてシッカリとアイコンタクトが出来ます。とても細かな部分まで観察しなければいけない事が多くなりますが、コマンドに従わなかったり実行性が安定しないのにも、このような細かな部分に要因があるためですので、飼い主さん側の観察力を高めながら、精度を向上させる為には、一旦、トレーニングのレベルを下げてでも安定性を目指してください。アメリちゃん自信の理解力や実行性は、ニンゲン側の判断力や観察力で大きく変わります。根気強く頑張っていきましょう。


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