カウンセリングでFIELDにお越し頂いたのは、シンバ君(柴犬4歳5か月♂)とベルちゃん(柴犬2歳♀)です。課題は、シンバ君の噛み癖の改善ですが、現在の状況に至るまでには、飼い主さんの犬を育てる上での最低限の知識や対応などの勘違いが、問題となる行動を強化してしまっているようです。
シンバ君の場合は、社会化の不足から屋外での行動に対しては自信がなく、自らのテリトリーでは強い自我を表す典型的な内弁慶タイプです。このテリトリーとなる自宅での対応を、安易に考えてしまうとシンバ君の思い通りにニンゲンが動いたり反応したり、時には要求に対して無条件で応える存在となりますので、本来の飼い主さんとしての役割ではなくなってしまいます。シンバ君から見た、ニンゲン側の立場を考えると、従う存在ではなく、自分に従える存在ですので、気分次第では大きな事故に発展する場合があります。一番の強さを発揮するテリトリー内では、食べ物などへの所有欲からフードアグレッシブになりますので、課題の改善については日常生活の中に環境整備も含めて、あらゆる点でのルール作りが必要となります。お散歩での他の犬への吠え・自転車や車・バイクに対しての吠えや飛びつきなども、本来、ニンゲンと共に暮らす上では必要のない事だという事をマナートレーニングとして進めていくべきでしたが、この4年間をシンバ君中心で生活していますので、これからの改善には飼い主さんの強い意志と一貫した対応が求められます。
ベルちゃんは、先住犬であるシンバ君との関係は良好ですし、どちらかと言うとベルちゃんがシンバ君を従えている序列構成となっています。社会性が高く、環境の変化にも柔軟に対応できている性格は、先天的に持ち合わせていたものですので、これからもコジレないように大切に育てて下さい。一般的に警戒心が強く第三者に対しては一定の距離をとる和犬の性格を考えた場合、初めての人から食べた事のない初めてのトリーツには、少し警戒をするものですが、ベルちゃんは全く抵抗感がありませんので、トレーニングをする上では、とても進めやすいタイプでもあります。気持ちの強い面はありますので、長所と短所を見極めて良い部分を延ばしてあげる事がとても大切です。持ち前の社会性の高さとシンバ君との関係性から、屋外に出る場合は、ベルちゃんが一緒であればシンバ君も自信を持ち歩くようですが、パック(群れ)の意識から、すれ違いなどで他の犬と遭遇する場合は、特に相手の犬が♂犬の場合は、強く警戒し排除行動に出ますのでシンバ君の吠えの課題となっています。
全ては、飼い主さんの意識改革あるのみですので、今までの過去の事例をベースにして、課題となる行動を起こさせない努力と、シンバ君が飼い主さんに従う心を持てるように、飼い主さん自身がシンバ君からリスペクトされる存在になる事が必要です。
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