カウンセリングとレッスンでお伺いしたのは、アントン君(ブリターニースパニエル4歳♂)のお散歩中の引き癖の改善についての現状の確認と改善方法の実践トレーニングです。
1歳3か月で保護犬であったアントン君の里親さんとなり、現在の年齢までの大きな課題としてはお散歩中の急激な引き癖と言う事でした。性質的には初めての第三者にも落ち着いて接することができていますしアテンションの理解と反応も見られます。犬種的な特性としての鳥への反応は顕著ですし、♂犬としての臭い嗅ぎへの意識もありますが極端に強いわけではありません。
どちらかと言うと、飼い主さんのブリタニースパニエルという犬種のアントン君への理解や、アントン君という個体の持つ特徴や個性の理解を深めていかないと現在の課題の克服にはつながりません。
アテンションへの反応も、とても良い反応ができていますが、その反応の役立て方や強化の方法を飼い主さんが理解できていませんのでアントン君の理解力を更に引き出せるようにしていきましょう。
現在理解しているコマンドの中に「待て」があります。ご自宅の敷地内ですが、この距離で一定の時間待つことができていますので、呼び戻さずに必ず基礎トレーニングに基づいて「待て」のコマンドを今後も強化していきましょう。同じ「待て」でも「座れ」の姿勢での「待て」と「伏せ」の姿勢での「待て」も同じように時間と距離を延ばしながらステップアップして下さい。
お散歩に関しては、犬種の特性や♂犬としての一般的な臭い嗅ぎへの意識から目的の臭いを嗅ぐために強く引く瞬間が見られますが、この行動に対して、飼い主さんは引かれるままに着いて行っていますので、この行動は改善されてません。お散歩全体のルールを決めながら臭い嗅ぎをコントロールすると共に、飼い主さんと歩速を合わせて一緒に歩けると良いことが起きるようにルールの理解を深めるとお散歩での同調性は高まります。
今日のレッスンでは、あえて新しいコマンドとして「ヒール」のコマンドの導入トレーニングを行い、正しいポジションの認識を高めるトレーニングを行いました。このトレーニングにより「ヒール」のコマンドを出さなくても自発的にヒールポジションに移動する行動が見られてきていましたので、このような自発行動をタイミングよく誉めて報酬を与えながらヒールのポジション強化とイメージを向上させましょう。
また他の犬に対しての反応については、特に♂犬に対しての拒否反応が見られるようです。自からアグレッシブな行動に出るわけではありませんので、事前に反応を予測して安全に回避できるように飼い主さんは周りへの観察力と配慮を考えていきましょう。
理解力はありますので、現在の課題改善に向けての知識と技術を飼い主さんが理解しながら丁寧に取り組んであげて下さい。そして、風の方向を感じられるように飼い主さんのトレーニングをしてください。
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