C/L:メイちゃん

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カウンセリングレッスン

今回、ご自宅へカウンセリングに伺ったのは、メイちゃん(ゴールデンレトリーバー2歳5か月♀)です。
ご相談内容は、お散歩中にほかの犬を見かけた際の吠えや興奮について。1歳前後から、ドッグランなどでの苦手な経験をきっかけに、ほかの犬への反応が強く見られるようになったそうです。
飼い主さんは、これまでにも2頭のレトリーバーと暮らしてこられた経験がありますが、メイちゃんのような反応を示す子は初めてとのことで、対応に悩まれていました。同じ犬種であっても、性格や経験、周囲の環境によって行動の現れ方は異なります。
大切なのは、どのような状況で反応が起きるのか、飼い主さんがどのように対応しているのかを含めて確認することです。メイちゃんが落ち着いてお散歩できるよう、飼い主さんと一緒に、日常生活の中で取り組める方法を考えていきます。

メイちゃんの現在の課題については、メンタル面に何らかの要因があるのではないかという動物病院からのアドバイスを受け、これまでに行動診療科を何度か受診されているようですが、残念ながら大きな変化が見られないまま現在に至っているとのことでした。
先代のゴールデン・レトリバーは非常に臆病な性格だったようですが、日常生活の中で大きな問題もなく過ごされてきたとのことです。そのため、同じ犬舎から迎え、血統的にも近いメイちゃんに対しても、これまでと同じような接し方をされてきたようです。しかし、メイちゃんは先代の子とは異なり、敏感な部分を持ち合わせながらも、一定の心の強さが感じられる性質です。そのため、これまでの対応では飼い主さんとの関係性や日常生活のルールが十分に確立されず、状況によっては飼い主さんへの吠えや飛びつき、噛みつきなどの行動が表れるようになっています。

こうした行動には、それぞれの状況に応じた要因があると考えられますが、現在の飼い主さんには適切に対応する術がなく、メイちゃんの反応や要求を抑えるために、その要求に応じざるを得ない状況が続いているようです。その結果、約2年半の生活の中で、本来は飼い主さんが主導すべき日常生活のルールや行動の選択が、メイちゃんの反応によって左右される関係性になってしまっていることが、大きな課題だと感じられました。
特に、奥様への執着や依存が強い一方で、ご主人に対しては敵対的な態度や行動が多く見られています。お散歩においても、奥様が同行されない場合には、ご主人への飛びつきやリードを噛む行動に加え、ご主人の腕や洋服に噛みつく行動も見られるため、ご主人お一人ではお散歩に行くことが難しい状況となっていました。

今回のレッスンでは、まずお散歩の中で飼い主さんがイニシアティブを握り、メイちゃんとの関係性を見直していくための実践的なトレーニングを行いました。メイちゃんの要求や反応に合わせて飼い主さんが行動するのではなく、飼い主さんが進行方向や行動のルールを明確にし、その中でメイちゃんが適切に行動できるようにしていくことが重要です。ただし、これまでの約2年半にわたる経験や学習によって形成された行動は、短時間のトレーニングだけで改善できるものではありません。また、一時的にイニシアティブを握ろうとしても、これまでと異なる対応に対してメイちゃんの反発が強くなることも予想されます。特に噛みつきを伴う行動があるため、無理に対抗するのではなく、安全を確保しながら段階的に取り組む必要があります。

そのため、ご家族全員が共通の認識を持ち、毅然とした一貫性のある対応を継続することが欠かせません。奥様とご主人で対応が異なったり、メイちゃんの反応によってルールが変わったりすることのないよう、日常生活全体を通して飼い主さん主導のルールを確立していくことが急務です。
また、飼い主さんとの関係性が改善され、日常生活の中でコマンドへの実行性が高まってくれば、他の犬に対する吠えへの対応も進めやすくなります。しかし、現時点では他の犬に対して興奮した際に、その興奮が転嫁行動として飼い主さんへ向かう可能性もあるため、他犬への反応だけを切り離して改善しようとするのではなく、まずは飼い主さんとの関係性と安全なハンドリングを優先していく必要があります。
更に、大型犬との生活では、毎日のお散歩だけではなく、十分な自由運動の時間を確保し、身体的・精神的なエネルギーを発散させることも重要です。メイちゃんの持っているエネルギーを適切に発散できる環境を整えることは、日常生活の安定や飼い主さんとの良好なコミュニケーションにもつながります。
今後は、ご家族で協力しながらメイちゃんの性質やこれまでの学習を理解し、生活の中で必要なルールを一つひとつ確立していきましょう。これまでの関係性を見直すには時間と継続的な取り組みが必要ですが、飼い主さんが適切な判断と対応を行えるスキルを身につけ、メイちゃんが安心して従える関係性を築くことを目標に、焦らず着実にトレーニングを進めていくことが大切です。

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