P/L:マーク君

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4年ぶりのトレーニング

2021年6月以来のトレーニングとなるマーク君。8カ月だった、あの頃と変わらぬ陽気な一面と少しシャイな面は健在で、良く覚えてくれていました。

最初のトレーニングの際も、他の犬に対しての反応や吠えの改善が目的でしたが、4歳を過ぎ、今までの様々な経験から、特定の犬に対しての強い吠えの反応が顕著に出ているようですので飼い主さんの対応を含めてリトレーニングとなりました。

課題の要因分析

成長と共にパピー期には見られなかった心の変化を見逃してしまうと、「知らないうちに変わった」という結果だけになり易いのですが、マーク君も最初のトレーニング以降、飼い主さんが良かれと思い、経験させたことが逆効果になっている面も多いようです。

どのようなシチュエーションが苦手なのか?どんなタイプの犬に対して反応が強いのか?♂犬なのか?メス犬なのか?小型犬にも反応するのか?大型犬だけなのか?特定の犬種なのか?特定の色なのか?など飼い主さんが観察すべき点は多々ありますが、過去の経験は、このような観察の中で体験していませんので現状の分析をして対応を考える必要があります。「全ての犬に対してフレンドリー」と「全ての犬を積極的に無視できる」は全く違う次元になります。家庭犬としての理想は、後者であるがゆえに飼い主さんのコマンドを優先できるようになります。

実用的なコマンドのトレーニング

現在、飼い主さんがマーク君に出せる実行性のあるコマンドが、いくつあるか?を再確認していきましょう。マーク君に出せるコマンド=マーク君が理解しているコマンドになりますが、自宅での環境刺激レベルが低い状況下と刺激レベルの高い環境下では、コマンドの実行性は大きく変わりますので、環境刺激レベルの高い状況下での実用的なコマンドの強化トレーニングが必要になります。

「吠えちゃだめだょ。こっちに来なさい。ダメ!」という気持ちを、「マーク」だけで伝える事は、少々無理があります。この対応は、本来のアテンションコマンドのイメージが逆効果となり、刺激が強くなればなるほど、アテンションコマンドでは反応しなくなり、アテンションコマンドが出ると「他の犬が来た」もしくは「吠えてOK」という学習につながる可能性があります。アテンションも含めて、リードでコントロールせずに、コマンドでコントロールできるように実用的なコマンドのトレーニングを進めていきましょう。

誉め言葉と報酬のタイミングの見直し

現在の飼い主さん自身の考えたトレーニングの方法は、報酬としてのトリーツではなく誘導としてのトリーツの使い方を継続していたようですので、犬が来て犬に反応すると飼い主さんは、自分の方を向かせる為にトリーツを差し出し、意識を向けさせる方法を続けています。これにより、一瞬は飼い主さんの方を向きますが、トリーツを食べ終わると、すぐにまた犬に対して反応を継続してしまいます。もしくは、反応が強まり吠え続ける行動にスイッチが切り替わります。この一連の対応は、単に他の犬への反応を強化してしまっているだけですので見直していきましょう。また、トリーツだけに頼り、本来の「誉め言葉」がマーク君には伝わっていないようですので「誉め言葉」がシッカリ伝わるようにしていきましょう。

無意識に動く左手

誉め言葉よりも、先に左手が無意識にトリーツのあるポケットに動きますので、マーク君は飼い主さんの手の動きでコマンドに従うか?従わないか?の判断をしています。結果的に、飼い主さんに対してのアイコンタクトではなく、ハンドコンタクトになってしまいます。

トリーツの与え方や与えるタイミング、誉めるタイミングなどを改善し、常に飼い主さんへのアイコンタクトが標準になるように、飼い主さん自身の無意識な行動を、意識的に改善していきましょう。

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