カウンセリングでお伺いしたのはカカオ君(ボクサー9ヶ月♂)の課題に対しての状況やカカオ君自身の性質を確認させて頂き今後の方向性についてレクチャーと実践トレーニングを行いました。
飼い主さんも自覚されているように、カカオ君は元々持っているシャイな性質と社会化の不足から、屋外での環境刺激や経験した事の無い事象に対しての適応時間が必要になるタイプです。今までにもトレーニングの経験があり、そのトレーニングで受けた様々なマイナスイメージが、課題自体を複雑なものにしてしまっているようです。メンタルの改善は、コマンドに対しての動作や実行性とは違い、目に見えて急激に改善したりしませんが、現在の課題の要因である事は一目瞭然です。カカオ君の理解力や受け入れるメンタルのキャパシティーを飼い主さんが良く理解した上で焦らずに確実な1歩を積み重ねるように進めていく事が、今後のトレーニングには一番大切で不可欠な考え方です。
メンタルの改善を考えずにお散歩トレーニングでの脚側行進を強制的にトレーニングをした経験から、お散歩に出る事に対しても強い興奮で抵抗感を表すようになっていますのでご自宅から交通量の多い道路の歩道を歩く事は、かなり危険を伴います。無理にお散歩を強要せずに飼い主さんと一緒に何かをしたり、楽しんだりする事を経験させながらポジティブに進めていきましょう。
本日のレッスン開始時の段階では、飼い主さんからのアテンションに対しての反応は希薄でしたし、アイコンタクトを理解できていませんでした。当然、写真を撮る事も間々ならない状態のようでしたが、基本的なアテンションとアイコンタクトのトレーニングを進める事で意欲的にアイコンタクトを選択できるようになっていました。飼い主さんの手を追いかける傾向は見られますが、今日のレッスンで行ったように、カカオ君の仕草や要求行動に反応せずにニュートラルな姿勢を維持できるように飼い主さんの姿勢や動きを意識的に改善するようにして下さい。アテンションとアイコンタクトの関連付けが安定すると、カカオ君の姿勢は自然にお座りの姿勢になりますので落ち着きが出ます。興奮からの飛びつき行動も課題のようでしたが、メンタルのコントロールで行動は安定してきますので飼い主さんが慌てずに対処できるようにして下さい。
本格的なお散歩トレーニングを導入する前に、カカオ君のメンタルが安定して落ち着いて理解が深まる場所は、安心できるご自宅付近の環境です。
ヒールポジションの基礎トレーニングや「来い」のトレーニングなど、基本的なコマンドのトレーニングも正しい方法で安心できる場所からスタートしてください。今までの飼い主さんの傍にいても良い事がない経験から、飼い主さんとの距離感ができていますので、飼い主さんの傍では必ず良い事が起きるように設定し、尚且つ心から大いに誉めましょう。恥かしがらずに心から誉める事ができれば、カカオ君の不安感も必ず減少しポジティブな時間を共有する事ができるようになります。まずは飼い主さんの意識改革と無意識に接しないで意識的に接するように頑張って下さい。
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